顎関節の音が「ミシミシ」に変わったら要注意?顎関節症の進行度と受診したほうがいい症状を解説

      2026/09/30

顎関節の音が「ミシミシ」に変わったら要注意?顎関節症の進行度と受診したほうがいい症状を解説

こんにちは。向ヶ丘遊園で開院しております、近藤歯科・院長の近藤です。

口を開けるたびに鳴っていた「カクッ」という音が、気づけば「ミシミシ」「ジャリジャリ」という音に変わっていたという場合、顎関節の症状が進行している可能性があります。
今回は、顎関節の仕組みや音の種類と進行度の関係、病名ごとの症状と治療法などを解説します。

 

顎関節の基本と異音が発生する仕組み

まずは、顎関節がどのような構造をしており、なぜ音が鳴るようになるのか、その仕組みを見ていきましょう。

 

顎関節の基本構造と働き

向ヶ丘遊園駅徒歩0分、登戸駅からも近い歯医者、近藤歯科で、顎関節の音が「ミシミシ」に変わったら要注意?顎関節症の進行度と受診したほうがいい症状を解説

顎関節は、耳の穴のすぐ前方に位置する関節であり、「下顎頭(かがくとう)」と「下顎窩(かがくか)」、自由に関節円板によって構成されています。
関節円板は口の開閉に合わせて骨と一緒に滑らかに前後へ動き、骨同士が直接ぶつかるのを防いでいます。

また、顎関節の周囲には側頭筋・咬筋・翼突筋(よくとつきん)といった咀嚼筋があり、これらの筋肉が協調して伸縮することで複雑な動作を可能にしています。

 

顎関節から音が生じる原因

向ヶ丘遊園駅徒歩0分、登戸駅からも近い歯医者、近藤歯科で、顎関節の音が「ミシミシ」に変わったら要注意?顎関節症の進行度と受診したほうがいい症状を解説

健康な顎関節において、関節円板は正しい位置に収まっており、口を開け閉めする際には下顎頭とともにスムーズに移動します。
食事や会話、あくびなどがスムーズに行えるのは、この関節円板と周囲の筋肉が正常に機能しているからです。

骨と骨の間に十分なクッション性が保たれているため、摩擦や衝突が起こらず、音が発生することはありません。

口を動かしたときに音が鳴るのは、関節円板の位置がずれてしまったり、骨の表面が摩耗・変性したりしているためです。
関節内部の滑らかさが失われると、口を開閉する過程で構造同士が引っかかったり、摩擦を起こしたりして音が発生します。

 

顎関節の「音の変化」が意味する進行度とリスク

口を動かしたときに聞こえる音の性質は、関節内部の病態と関連しています。


初期段階:「カクッ」「コキッ」という音(クリック音)
口を開ける途中や閉じるときに鳴る「カクッ」「コキッ」といった音は、関節円板が前にずれている状態を示しています。
初期段階に見られる症状であり、この時点では痛みを伴わないことも珍しくありません。

日常に支障がないため放っておかれがちですが、次の段階へと進行するリスクを潜めています。

進行段階:「ミシミシ」「ジャリジャリ」という擦れた音(クレピタス音)
「ミシミシ」「ジャリジャリ」という音は、関節円板のクッション機能が失われ、骨や軟骨の表面が摩耗して荒れていることを示しています。
骨の変形は一度起こると元に戻りにくいため、こういった音が聞こえた場合は速やかに歯科医師の診察を受けることが推奨されます。

要注意段階:音が急に消えて口が開かなくなった状態

音が出なくなったと同時に口が大きく開かなくなった場合、関節円板が前に落ち込んだまま引っかかってしまい、顎の骨の動きを妨げている可能性が高いです。
放置すると、関節内の組織同士が癒着を起こしたり、骨同士が摩擦して骨の変形へ進んだりする恐れがあります。

その他の音や感覚(「ポキッ」「ズーン」)

指の関節を鳴らしたときのような高めの「ポキッ」という音は、関節内部の圧力が変化した際に生じる気泡の破裂による場合があります。
一方で、音というよりも耳の奥やあご全体に「ズーン」と響くような振動感・重圧感がある場合は、咀嚼筋の過度な緊張や関節周りの組織への強い負荷が考えられます。

 

顎関節症の病態分類(病名別の症状と治療法)

顎関節症は、原因や障害されている部位によっていくつかのタイプ(病態分類)に分かれています。

 

咀嚼筋痛障害(Ⅰ型顎関節症)

咀嚼筋痛障害は、口を動かすための「咀嚼筋」に強い緊張や疲労が生じることで痛みや違和感が引き起こされている状態です。

こめかみのあたり(側頭筋)や頬のあたり(咬筋)に鈍い痛みやだるさを感じたり、口を開閉するときに筋肉が引っ張られるような痛みが生じたりします。
関節内部の骨や軟骨には大きな問題が生じていないため、カクッというような関節音は伴わないケースが一般的です。


治療法とアプローチ
歯科医院では、夜間の歯ぎしりや食いしばりによる筋肉への負担を軽減するために、専用のマウスピース(スプリント)を作成して装着する治療が行われます。
併せて、温熱療法や、頬・こめかみのセルフマッサージ、口周りのストレッチ指導を実施し、筋肉のこりをほぐしていきます。

 

顎関節痛障害(Ⅱ型顎関節症)

顎関節痛障害は、顎関節を包んでいる「関節包(かんせつほう)」や「靭帯」などの組織に過度な負担がかかり、炎症を起こしている状態です。

耳の前あたりにある顎関節部分を指で押すと痛みがあり、口を開けたり食べ物を噛んだりした際に関節周囲へ直接的な痛みが走ります。
無理に口を開けようとすると痛みが強まるため、自然と口の開きが小さくなることがあります。


治療法とアプローチ
痛みが強い急性期には、消炎鎮痛剤の処方によって炎症と痛みを緩和します。
併せて、関節への負荷を減らすためにやわらかい食事を中心にしていただき、痛む部位を安静に保ちます。
炎症が落ち着いてきた段階で、少しずつ関節の可動域を広げる運動療法を取り入れていきます。

 

顎関節円板障害(Ⅲ型顎関節症)

顎関節円板障害は、クッションである「関節円板」の位置が正常な場所から前方へずれてしまう病態です。
ずれ方の違いによって「復位性」と「非復位性」の2つに大きく分けられます。


復位性関節円板障害
口を開ける際や閉じるときに「カクッ」「コキッ」という音が鳴ります。これは、ずれていた関節円板の上を下顎頭が乗り越える瞬間に生じる音です。
痛みがなく口も開く場合は、経過観察を行いながら生活習慣の指導(食いしばりの改善など)を実施します。音が気になったり痛みを伴ったりする場合は、関節円板の位置を整えるためのスプリント療法を行うことがあります。

非復位性関節円板障害
関節円板のずれが大きくなり、口を開けても円板が元の位置に戻らなくなった状態です。下顎頭の滑らかな動きが円板によってブロックされるため、開口障害を引き起こします。
徒手整復を行ったり、関節腔内へ生理食塩水等を注入して癒着を剥がすパンピング療法を行ったりします。また、開口域を取り戻すための開口訓練(リハビリテーション)を継続的に行います。

 

変形性顎関節症(Ⅳ型顎関節症)

変形性顎関節症は、長期間にわたる過度な負担や関節円板のずれによって、下顎頭や下顎窩の表面にある骨・軟骨が変形・摩耗してしまう状態です。

口を開閉するたびに「ミシミシ」「ジャリジャリ」「ザラザラ」といった摩擦音が響きます。
骨同士が直接こすれ合うことで慢性的な痛みが生じ、口をスムーズに開け閉めできなくなります。


治療法とアプローチ
破壊された骨や軟骨を元の状態に復元することは難しいため、変形の進行を食い止め、痛みの緩和と機能維持を目指す治療を行います。
薬物療法による痛みのコントロール、負担を軽減するスプリント療法、関節にかかる圧力を減らす理学療法を組み合わせて治療します。
重度の開口障害や痛みが続く場合には、関節内の洗浄や手術が検討されることもあります。

 

顎関節症で受診したほうがいい症状と判断基準

顎の違和感や音に気づいたとき、どのタイミングで医療機関を受診すべきか悩まれる方も少なくありません。
ここでは、早めの受診を検討すべき具体的な症状について解説します。

 

すぐに歯科や口腔外科を受診したほうがいい症状

以下のような症状が現れている場合は、急性のトラブルが生じているか、病態が大きく進行しているサインです。
できるだけ早く歯科医院を受診してください。

突然口が大きく開かなくなった(指2本以下しか入らない)

「ミシミシ」「ジャリジャリ」という擦過音がし始めた

食事や会話に支障が出るほどの激しい痛みがある

顔の腫れや発熱がある

 

早めの受診が推奨される症状

激痛や急激な運動制限がなくても、以下のような変化や症状が続いている場合は、症状が固定化・慢性化する前に歯科医院への相談を検討してください。

「カクッ」という音が以前より大きくなった、または頻度が増えた

朝起きたときに、あごやこめかみが重だるく痛む

頭痛や肩こり、耳の違和感が慢性化している

 

経過観察ができるケースと注意点

痛みが一切なく、口も指3本分以上スムーズに開き、たまに軽めの「カクッ」という音が鳴る程度であれば、すぐに治療を行わず経過観察とすることもあります。
ただし、日常の食いしばり癖や頬杖などの習慣を見直しながら観察を続けることが大切です。

「痛みが現れた」「音の性質が変わった」「口が開きにくくなった」といった変化が生じた場合は、速やかに受診してください。

 

ご自宅でできる顎関節のセルフチェック方法

ご自宅で定期的にセルフチェックをすることで、症状の変化に早めに気づくことができます。

 

開口量のチェック

向ヶ丘遊園駅徒歩0分、登戸駅からも近い歯医者、近藤歯科で、顎関節の音が「ミシミシ」に変わったら要注意?顎関節症の進行度と受診したほうがいい症状を解説

まっすぐ前を向いた状態で、口を無理のない範囲で大きく開けます。
ご自身の手の人差し指・中指・薬指の3本を縦に揃えて、口に入るか確認してみましょう。


正常の目安
指3本(縦幅で約38〜40mm以上)がスムーズに入る。

注意が必要な状態
指が2本以下、または1本半程度しか入らない場合は、開口障害の疑いがあります。

 

関節音のチェック

向ヶ丘遊園駅徒歩0分、登戸駅からも近い歯医者、近藤歯科で、顎関節の音が「ミシミシ」に変わったら要注意?顎関節症の進行度と受診したほうがいい症状を解説

両手のひらや指先を左右の耳の前に軽く当てます。
その状態で、ゆっくりと口を大きく開け、ゆっくりと閉じる動作を数回繰り返します。

手のひらへ伝わる振動や音に耳を澄ませ、「カクッ」「ミシミシ」などの音がしないかを確認します。

 

痛みの部位と性質の確認

耳の前にある関節部分、頬の大きな筋肉(咬筋)、こめかみ(側頭筋)のあたりを、指先で少し力を込めて押してみます。

押したときに痛む場所(圧痛点)があるか。

口を開けたときや、食べ物を噛んだときに痛むか。

痛みの質が「ズキズキする鋭い痛み」か「重苦しい鈍痛」か。


動作のときだけ痛むのか、何もしなくても痛むのかを把握しておくことも重要です。

 

顎の動きのラインチェック

鏡の前に立ち、口をゆっくり開けていく際の下顎の動きを観察します。
下顎が真下にまっすぐ降りていくのが正常です。

開ける途中で下顎が左右どちらかに大きく歪んだり、左右に揺れながら開いたりする場合は、左右の関節円板の動きや筋肉のバランスに偏りが生じている可能性があります。

 

まとめ

向ヶ丘遊園駅徒歩0分、登戸駅からも近い歯医者、近藤歯科

顎関節から生じる音の変化は、口の中で起きているトラブルを知らせてくれる大切なサインです。
初期の「カクッ」というクリック音から「ミシミシ」「ジャリジャリ」という音へ変わった場合や、音が消えて口が開きにくくなった場合は、関節円板のずれだけでなく骨の変形や急性の開口障害へ進行している可能性が考えられます。

早期にチェックを受け、必要に応じて治療やケアを開始することで、大切なあごの健康と快適な生活を守りましょう。

 


監修医・医院情報

監修医:近藤 猛(医療法人社団 新芽会 近藤歯科 院長)

経歴

日本歯科大学卒
医療法人社団 慈皓会 波多野歯科 勤務後
医療法人社団 新芽会 近藤歯科 院長就任
南カリフォルニア大学客員研究員
鶴見大学口腔顎顔面インプラント科専攻生

所属学会

日本口腔インプラント学会
日本歯内療法学会
日本歯科医師会
MAXIS Implant Institute Advance/Basic course 修了
University of Pennsylvania Microsurgery Course 修了
Santa Barbara Dr.Ruddle Advance/Basic Endodontics course 修了
内藤正裕 補綴咬合Ⅰ Ⅱコース修了



医療法人社団 新芽会 近藤歯科:https://kondoh-shika.or.jp/

〒214-0014 川崎市多摩区登戸2043 小田急マルシェ2-3F
電話:044-932-0418

交通アクセス
小田急電鉄小田原線 向ヶ丘遊園駅 徒歩0分

PAGE TOP